■各地で記録的な豪雨となっている「令和2年7月豪雨」
わずか1週間で総雨量が1000ミリを越えた地点も
7月3日以降、日本付近に停滞している梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、九州や東海など広い範囲で記録的な豪雨に。
3日~10日までの総雨量は、熊本県や鹿児島県、高知県、和歌山県など複数地点で1000ミリを超えている。
平年の2~3倍の雨量
特に九州では甚大な被害が…
アフロ
An excavator clears up debris next to a damaged house after floods caused by torrential rain in Hitoyoshi, Kumamoto Prefecture, southwestern Japan, July 8, 2020. REUTERS/Kim Kyung-Hoon (Japan) by 写真:ロイター/アフロ
1級河川の筑後川や球磨川など85の河川が氾濫、土砂崩れは127件、浸水・損壊した家屋は少なくとも計1万1744件。
これまでに計63人が死亡、16人が行方不明となっており、10日時点で1799世帯4068人が避難所に身を寄せている。
■原因は「線状降水帯」
梅雨前線の北上に伴い、今夜以降は広島市周辺で「バックビルディング型」の線状降水帯が形成される可能性があります。2014年など過去の豪雨パターンに類似している部分があり、早めの警戒が必要です。
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梅雨前線に向かって南から湿った空気が大量に流れ込むと、上昇気流により積乱雲が発達し、短時間に激しい雨をもたらす。
しかし、地形や風向きなどにより上昇気流の場所が固定されると、積乱雲が連続で発生して連なる状態に。
このような状態になると、きわめて強い雨が長時間にわたって同じ場所に降り続けることになる。
最新の観測技術でも、いつ、どこで形成されるか予測するのは困難
■この雨はいつまで続く?
気象庁によると、梅雨前線は東シナ海から対馬海峡を経て東北に延び、低気圧が発達しながら朝鮮半島付近から日本海を進んでいる。
今後も停滞する前線や低気圧に暖かく湿った空気が流れ込み、前線活動が活発な状態が続く見込み。
■少なくとも12日いっぱいまでは「警報級の雨」に警戒が必要
今夜は線状降水帯に要警戒です。雨雲の掛かる位置と時間の予測にはブレがありますが、暗い時間帯に状況が急激に悪化する恐れがあります。
この予測で雨雲が掛かっていない所でも、今夜は安全な場所で過ごす様にして下さい。 pic.twitter.com/nSxJ1iyFm2
11日は九州~東北の広い範囲に活発な雨雲がかかり、特に九州や東海地方などでは非常に激しい雨に。
再び線状降水帯が形成される可能性も
12日は一時小康状態となるが、前線に近い西・東日本太平洋側を中心に局地的な大雨となる恐れも。
12日18時までの48時間に予想される雨量は多い所で、東海・九州北部250~350ミリ、四国・九州南部200~300ミリ、関東甲信・北陸・近畿150~200ミリ、東北120~200ミリ、中国80~130ミリとなっている。
■危険を感じたら早めの避難を!
梅雨前線が西日本から東日本付近に停滞しやすい状況は、今後少なくとも1週間程度は継続する予想。
土砂災害や河川の増水・氾濫に厳重に警戒するとともに、気象庁や自治体からの情報をこまめに確認し、早めの避難を心がけるように。