■医薬品
予防や治療を目的とした薬で、有効成分の効果が認められています。病院で医師が処方してくれる医療用医薬品や、薬局・ドラッグストアで市販されているOTC医薬品(風邪薬、胃腸薬、鎮痛剤、点眼薬、滋養強壮剤など
処方薬の使用中に市販薬を使いたい場合、あるいはその反対の場合も必ず医師・薬剤師に相談しましょう。
■この医薬品の消費量において日本は突出している
日本人はとにかく薬をよくのむ。それは「薬信仰」とさえいえるほど熱心だ
日本人は世界の中でもよく薬を飲む国民である。1人当たりの医薬品費等支出はアメリカ、スイスに次ぐ世界3位
日本の人口は比率で言えば世界の人口の2%にしか過ぎないのに、日本の薬の使用量は世界の薬の30%を占める
■多剤併用が行われている
わが国の統合失調症患者が服用している抗精神病薬の種類は、三剤以上が半数ですが、諸外国では単剤かせいぜい二剤がほとんど
特に抗不安薬の処方が他の国に比べてダントツに多い。高齢者では転倒やせん妄を発症するリスクも高いのに、いまだに漫然と投与されています
74才以上の4人に1人が、1か月に7種類以上の薬剤を処方されている。40~64才の世代でも5人に1人が5種類以上の薬を受け取っているという。ちなみに、海外では「1度の診察で1種類の処方」が基本
■タミフルにおいては全世界の75%が日本
アフロ
タミフル/Tamiflu,
February 18, 2006 – News :
A Bosnian pharmacist displays Swiss drug maker Roche's Tamiflu bird flu anti-viral tablets at a pharmacy in the capital Sarajevo February 18, 2006. Bosn… by 写真:Reuters/AFLO
日本は、抗インフルエンザ薬の代表である「タミフル」の世界消費量の約75%を占めており、2位の米国の約20%を大きく離してダントツの1位
なぜ、このように日本では抗インフルエンザ薬が多く使用されているのでしょうか。それは本来投与しないでも元気になる可能性が高い人たちに対しても薬が処方されているから
状況は今も変わっていません。絶対的な投与基準が未だ確立していない現状では、「治療効果」 と「 副作用やウイルスの耐性化の可能性」を天秤にかけて判断していく
■日本でしか使われない薬もある
『スタチン』は日本でよく用いられる薬です。しかし、アメリカの約80もの臨床系専門学会が参加する、過剰医療をなくす『チュージングワイズリー(賢明な選択)』キャンペーンでは、75才以上かつ心臓病や脳卒中の持病がない高齢者には、スタチンは必要ないだろうとされています
『ロキソプロフェン』『アスピリン』『セレコックス』などは、日本でもよく使われていますが、使いすぎると胃を荒らす副作用があるために極力、アメリカでは使わないように
肩こりや腰痛、筋肉痛など病気ほど深刻ではないもののつらい症状を緩和してくれる湿布。実はこれも多用するのは日本人だけ
■このような現状に警鐘が
『効かない薬でお金儲けをしよう』ということより、『患者から求められて出さないと文句を言われるから』という声が多い
医師の処方が患者ファーストになりすぎています。
たくさん貼れば成分が経皮吸収によって血中に取り込まれ、胃潰瘍などの副作用も起こりうることを知っておいた方がいい
湿布薬に関する警鐘です。
「処方された薬について『効果があまりない』と感じたことがある人」は約6割にのぼった。さらに、ある製薬会社の調査によれば年間400億円分の薬が、処方されたにもかかわらず捨てられている
効き目を感じない→更に処方が増えていく。薬は魔法ではありません。