テレビ東京の独壇場!主役が本人を演じる「フェイクドキュメンタリー」


◆相楽樹が本人役を演じる新ドラマで初主演

『こんにちは、女優の相楽樹です。』(2017)

右から相楽樹、藤江れいな、佐々木彩夏、生田衣梨奈

NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」でヒロインの妹役で注目された相楽樹(21)がテレビ東京系「こんにちは、女優の相楽樹です。」(3月6日スタート、深夜1時)で連続ドラマに初主演する。

「とと姉ちゃん」に出演して有名になったと勘違いしている相楽が、新しいドラマの役作りのために純喫茶店をめぐり、そこで働く3人娘とのやりとりを通して成長していく姿を描く。

3人娘は毎回代わり、初回は、ももいろクローバーZ佐々木彩夏(20)モーニング娘。’17生田衣梨奈(19)NMB48藤江れいな(23)が登場する。

浜野謙太(35)が鬼監督役、塚本高史(34)がマネジャー役、名取裕子(59)が相楽の憧れの女優として本人役で出演する。

◆現実(本人)とフィクションが入り混じる役どころ

セミドキュメント風のコメディで、演劇界で活躍する女性劇作家・根本宗子が脚本を担当している。

相楽は「ドラマ初主演で本人役をやるとは。(劇中では)『街中のみんなが私を知っている』と勘違いしているけど、それは全くない。相楽、調子に乗っているなと思われたら、本当は違うぞと念を押したい」とフィクションを強調した。

“昭和顔”であること、色気がないことなど多くの悩みを抱えるが、過剰に女優ぶることで自らを保つ設定。「どこかリアルでどこかファンタジー。不思議な世界にいる気がして楽しみながら撮影している」と充実感でいっぱいだ。

「こんにちは、女優の相楽樹です。」は、テレビ東京で3月6、13、20日の深夜1時から放送。全3話。

◆現実とフィクションが入り混じる「フェイクドキュメンタリー」

白石晃士『フェイクドキュメンタリーの教科書』

リアリティのある“嘘"を描く映画表現を、現役映画監督が解説

フェイク・ドキュメンタリーとは、映画やテレビ番組のジャンルのひとつでドキュメント風フィクションのこと。フェイク(いかさま・にせもの)+ドキュメンタリー(記録作品)。

ドキュメンタリーの体裁を取りつつ、フィクションのストーリーを描く「フェイクドキュメンタリー」という映画ジャンル。その虚実入り混じったスタイルは長年多くの人々を魅了し続けてきました。

虚構の事件や出来事などのフィクションをドキュメンタリー風の表現手法で作り上げたもの。モック・ドキュメンタリーとも。

「モキュメンタリー」ともいう

◆今期もテレビ東京では2本の「フェイクドキュメンタリー」を放送中

『山田孝之のカンヌ映画祭』(2017)

山田孝之(右)と共に、芦田愛菜や山下敦弘監督(左)も本人役で登場

『山田孝之のカンヌ映画祭』は、山田孝之がカンヌ映画祭で賞を獲るために映画を制作する!と言い出したところから始まりました。ドラマというジャンルに括られているものの、映画制作に密着したドキュメンタリーのような作りで“ドキュメンタリードラマ”と呼ばれる。

『山田孝之のカンヌ映画祭』、当初はユルユルなフェイクドキュメントかと思いきや、回を重ねるごとに緊迫感が尋常じゃなくて見入ってしまう。

『山田孝之のカンヌ映画祭』第6話 “カンヌの申し子”河瀬直美監督が山田孝之をフルボッコに……! news.nifty.com/article/entame…

「山田孝之のカンヌ映画祭」という番組、どうせフェイクドキュメントの赤羽に住むやつの二番煎じだろうぐらいの軽い気持ちで録画してたんだけど、これがなかなか、映画について深い話されてて面白い。こういう形で映画論を提示する、というのも、なかなかに新しい手法なんでないかい?本腰入れて見る。

『バイプレイヤーズ』(2017)

低予算が多い「フェイクドキュメンタリー」としては異例の豪華キャスト(ゲスト含む)

ドラマに欠かすことのできない6人の名脇役が本人役で出演する『 バイプレイヤーズ〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら』(テレビ東京系)が放送直後から話題になっている。

これはジャンル的にモキュメンタリー?
既に面白い
#バイプレイヤーズ

「バイプレイヤーズ」。本人が虚実ない混ぜの本人演じる偽史・モキュメンタリーな。松尾スズキさんが編集責任なことやってた太田出版の「本人 hon-nin」思い出す。とにかく楽しみ。舞台とかでも観てみたい

◆この種の作風が一躍注目されたのは山田孝之のドラマ

山田孝之のドキュメンタリードラマ?前にもなかったっけ?と思った方、そうなんです。2015年に放送されてその内容が大きな話題となった『山田孝之の東京都北区赤羽』もテレ東の実名ドラマのひとつ。

実名ドラマ=フェイクドキュメンタリー