◆ドラマが好調のTBS
昨年は“ドラマのTBS”が見事、復活。数多くの話題作を提供してきた。
2016年上期ゴールデン帯の視聴率は9年ぶりに民放2位(タイ)という結果を残し、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』などのヒットも記憶に新しい。
連続ドラマ「あなたのことはそれほど」(TBS系、火曜午後10時)の第7話が30日に放送され、平均視聴率は12.4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録。先週第6話の11.5%からさらに上昇し、自己最高を更新した。
◆一方、経済に強いテレビ東京
テレビ東京の報道番組です。毎週月曜日~金曜日夜11時~放送中
『ワールドビジネスサテライト(以降WBS)』、『カンブリア宮殿』、『ガイアの夜明け』、『未来世紀ジパング』はテレビ東京の制作で、テレビ局業界全体を新聞一紙に見立てるなら「経済欄担当」ともいえるのがテレビ東京です。
「日経関係が強く、一番ニュースの内容が充実している」というコメントの通り、これは確かにテレ東の強みだろう。
テレビ東京は日本経済新聞社系列(株式の30%強を保有)
同局では、「経済ニュースに強い」というイメージも定着し、「その自負もある」とニュースセンター長を務める大信田雅二氏は語る。
◆そんな両社を含む6社が共同で動画配信の新会社を設立
東京放送ホールディングス(TBSHD)、テレビ東京ホールディングス、WOWOWなど6社は5月23日、有料の動画配信サービスを提供する新会社「プレミアム・プラットフォーム・ジャパン」(仮称)の共同設立に合意したと発表した。
資本金は80億円(資本金は40億円、資本準備金は40億円)で、出資比率はTBSHDが31.5%、日経16.6%、TXHDが14.9%、WOWOW 14.9%、電通14.8%、博報堂DYMP 7.3%。設立予定日は7月3日。
独自の個性を持つ6社が協業することで視聴者により魅力的な動画配信サービスを提供していくとしている。
◆各社の強みを生かしたコンテンツが用意される
TBSHD・日経・TXHD・WOWOWが運営を主導し、動画配信プラットフォームの構築を推進。各社が持つエンターテイメントや報道といったコンテンツの投入が期待されます。
TBSテレビが保有する名作・新作ドラマや映画、日経とテレビ東京が持つ経済報道コンテンツ、WOWOWの独自ドラマなど、各社が得意とするコンテンツを持ち寄る。
独自のコンテンツでテレビ離れ層を引き付けけるとともに、AI(人工知能)など最新技術の活用や、BS4K放送に先駆けての4Kコンテンツも配信などを行い、テレビ視聴の習慣がある層も狙う。
サービスの開始時期は2018年4月を予定。2017年秋をめどにプレサービスを開始するとのことです。
◆背景にあるのはテレビ離れとCM主体のビジネスモデルの危機
視聴率が良いと言われている番組に広告を出しても、製品の売り上げ向上や認知度向上にほとんど貢献しないことから、多くの企業がテレビへの広告出稿のコストパフォーマンスに懐疑的で、他のプロモーション手段へ移行している。
地上波テレビCM制作費が、2015年に前年比98.8%(1兆9323億円/電通調べ)と減少に転じた。人口減や「テレビ離れ」で市場規模の先細りは明らかだ。
若者のテレビ離れ、録画が便利なハードディスク・レコーダーの普及、スマートフォンの登場などテレビCMがパワーダウンした要因はいくらでもある。スポンサーから広告料金を取り、無料で番組を流すビジネスモデルに限界が来るのは自明だ。
◆そんな中、将来性が見込める「(有料)動画配信」市場が拡大
国内における動画配信ビジネスの市場規模が2015年の1495億円から21年には2092億円への伸長が見込まれ(野村総合研究所調べ)様々な分野の企業参入が相次ぐ。
無料+有料の動画配信市場規模
15年には民放5社が協力する見逃し番組配信サービス「TVer(ティーバー)」が始まっている。
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