16年度は498人で過去最多‥「心の病」による労災認定が増え続けている


●「心の病」を患い、労災認定された人が過去最多に

過労などが原因で「心の病」を患い、労災認定された人が2016年度は498人となり、

・過労自殺をした人は未遂を含めて「84人」

●厚生労働省が16年度の「過労死等の労災補償状況」を公表

労災の請求件数や認定件数の増加について、厚労省の担当者は「(電通事件で)精神障害が労災対象になることが周知されたことも要因の一つだ」としている。

・年代別では、40代が144人と最も多い

年代別に見ますと、40代が144人と最も多く、次いで、30代が136人、

30代~50代が前年度より微減となる中、20代は20人増えて107人となり、全体を押し上げた。

・認定の原因では「嫌がらせ、いじめ、暴行を受けた」が74件と最多

認定の原因では「嫌がらせ、いじめ、暴行を受けた」(74件)、「仕事内容や仕事量の変化」(63件)、

「2週間以上にわたって連続勤務を行った」の47件、「1カ月に80時間以上の時間外労働を行った」の39件などが目立ち、

・請求が多い業種は「医療・福祉」が302件で最多

請求が多い業種は「医療・福祉」が302件で最多。「製造業」(279件)、「卸・小売業」(220件)と続く。

・仕事による脳・心臓疾患の労災認定は260件

仕事による脳・心臓疾患の労災認定は260件で、このうち死亡したケース(過労死)は107件だった。