■自己破産申請者が13年ぶりに増加
自己破産件数は03年の24万2357件がピークで、それ以降は減少傾向にあったが、昨年13年ぶりに増加した
■そもそも自己破産って?
一定の財産を手放す必要はありますが、自己破産を行うことで多重債務の苦しさから逃れることができます
■こうした自己破産増加の原因は銀行系カードローンの拡大?
増加に転じた背景には、無担保で個人に融資する銀行のカードローン事業の急拡大があるとみられる
■かつて、同じように自己破産者の増加が問題となった事があった
1990年代の増加した個人の自己破産は消費者金融などを利用した多重債務が問題視され、ノンバンク(貸金業者)からの借り入れは年収の1/3までとする総量規制が行われるようになりました
債務者の借金を増やさないようにするために、お金を貸す金額に制限をする
こうすることで、多重債務者の増加に歯止めがかかるだろうということで導入が決まりました
その結果、金融庁によると、借金を5件以上抱える多重債務者の数は、ピークだった約10年前の180万人から9万人にまで減少した
■しかし、銀行はこの規制の対象とはならなかった
ただ、この規制がかかるのは貸金業者だけ。銀行は対象外
カードローンやキャッシングと呼ばれているものには、貸金業法で定められているものと、銀行法で定められているのものがあります
■結果、銀行カードローンの利用者が格段に増えた
消費者金融やクレジットカード会社によるお金の貸出は減少傾向にあるものの、それに代わって銀行カードローンの貸出が増加している状況
日銀によりますと、銀行によるカードローンなどの融資残高は去年までの5年間で60%増加しています
今度は貸金業法が定める総量規制の対象外である銀行カードローンによる過剰融資が社会問題化しつつある