・Adobeの「Flash」が2020年に終了する
アフロ
An Adobe logo and Adobe products are seen reflected on a monitor display and an iPad screen, in this picture illustration taken in Zenica, in this July 8, 2013, file picture illustration. REUTERS/… by 写真:ロイター/アフロ
今日(米国時間7/25)、Adobeはその昔インターネットの世界で普遍的だったFlashのサポートを終了する計画を発表
これまでもブラウザからのサポートの打ち切りが宣告されるなど、その終了が徐々に近づいていたAdobe(アドビ)の「Flash」。
2020年の年末をもってFlashのアップデート及び配布を終了する。
Apple、Facebook、Google、Microsoft およびMozillaなどのベンダーと協力しながら、「Adobe Flash Player」の段階的な廃止と既存コンテンツの移行を進めるという。
・このニュースはネットでも反響を呼んでいる
・今さら聞けない「Flash」とは?
アフロ
An Adobe Systems Inc software box is seen in Los Angeles, California, U.S., March 13, 2017. REUTERS/Lucy Nicholson (United States) by 写真:ロイター/アフロ
1996年に「Macromedia Flash」として登場したこの技術は、画像や音声を使ったコンテンツを作成するための規格
Flashの登場は静的だったインターネットに動的なコンテンツをもたらし、FlashアニメやFlashゲームが2000年代のインターネットの進化の一翼を担った。
しかし、脆弱性、高負荷といった問題を解決できず、セキュリティと省電力性が重視されるモバイルデバイスにおいてFlashが敬遠され、HTML5の普及と共にWeb標準技術への置きかえが進められてきた。
アプリ名としての「Adobe Flash」は、アプリがFlash以外の技術もサポートするようになったこともあり、2015年に「Adobe Animate」に変更されている。
・お世話になった「Flash」終了の歴史
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FILE PHOTO — Apple Computer Inc. Chief Executive Officer Steve Jobs holds the new iPhone in San Francisco, California January 9, 2007. REUTERS/Kimberly White/File Photo (United States) by 写真:ロイター/アフロ
iPhoneでの採用をやめた故ジョブズ氏の発言が大きい。
Flashの"終わりの始まり"は、やはり2007年にアップルのスティーブ・ジョブズが公開した文書「Thoughts on Flash」と言える
ジョブズ氏は2010年、「Flashはクローズドでセキュリティ上の問題も多い」と批判し、まずiPhoneでの採用をやめている。
2015年には、Adobeもソフトウェア「Flash Professional」の名前を「Adobe Animate」へと変更。
MozillaのFirefox、GoogleのChromeブラウザ、MicrosoftのEdgeはそれぞれ、2015年あるいは2016年からFlashのブロックを開始
・なぜ終了してしまうのか
理由はすでにFlashの利用が大幅に減ってきているため。
Chromeブラウザーの統計では、2014年にはまだ80%あったFlash使用サイトは現在では17%にまで低下したとされます。
きわめて広い範囲で使われている(かつ時代遅れになったバージョンがそのままになっている)ため、Flashは世界中でハッカーの攻撃のターゲットになっている。
近年ではHTML5、WebGL、WebAssemblyといったオープンなWeb標準技術が成熟しつつあり、これまで「Flash」が必要とされていたコンテンツのほとんどが、プラグインなしで実現できるようになっている。
ゲーム業界でも数年前から,Flashの段階的な終了を前提としたHTML5などへの移行が進んできた形だが,Flashの具体的な“終了のお知らせ”はインパクトがありそう