国連総会でミャンマーに続く非難…「ロヒンギャ」の迫害問題が深刻化


○ミャンマーのイスラム教徒「ロヒンギャ」の迫害問題

現地では水や食料のほか、テントなども不足しています。トイレなどの設備も足りないことから、病気が蔓延(まんえん)する事態が懸念されています。

タイ、バングラデシュ、インドネシアなどは、国連やNGOの批判に取り合わず、ロヒンギャの正規受け入れを拒否し続けている。

○きっかけは「ロヒンギャ」の武装勢力が警察署などを襲撃をした事件

発端は8月25日未明に発生した「アラカン・ロヒンギャ救世軍」(ARSA)を自称する武装集団によるミャンマー政府軍(国軍)への襲撃だった。

ミャンマーのイスラム教徒「ロヒンギャ」の武装勢力が先月、西部ラカイン州で警察署などを襲撃をしたのをきっかけに治安部隊が掃討作戦を展開しています。

武装集団とはいっても、持っていた武器の大半は槍とナイフにすぎず、旧日本軍の「万歳突撃」のように政府軍の基地を襲い、自ら数百名の死者を出している。

○難民の規模は約40万人に

このため、大勢のロヒンギャが国境を接するバングラデシュに逃れ、難民の規模は約40万人に上っています。

ミャンマーは、ひとつの民族としてのロヒンギャの存在を否定し、ラカイン州に住んでいるのはバングラデシュからの不法移民だと言っている。

○スー・チー氏が現状を釈明も…

ミャンマーの実質的トップ、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相は19日、首都ネピドーで演説

スー・チー氏は「ミャンマー政府に責任回避の意図はない。人権侵害と暴力を非難する」と主張。

「現政府が発足して今月末で十八カ月になるが、全ての課題を克服するには日が浅すぎる」と釈明した。

○国連総会でミャンマーに非難の声

フランスのマクロン大統領は、ロヒンギャの人々について「民族浄化に直面している」と強調。

○各国も厳しい言葉でミャンマーを非難した

ナイジェリアのブハリ大統領も、ボスニア・ヘルツェゴビナやルワンダでの虐殺を「強く想起させる」と厳しい言葉でミャンマーを非難した。

トルコのエルドアン大統領は「(ミャンマー西部の)ラカイン州のイスラム教徒のコミュニティーがほぼ民族浄化の対象になっている」と指摘。

「シリアと同様、国際社会はひどい人道状況を救うために大きな貢献をしていない」と訴え、「ミャンマーの悲劇を止められなければ、人道の歴史は新たな汚点に直面するだろう」と強調した。