27年ぶりに値上げの方向で検討…ヤマト運輸に色々な声が出ている


○ヤマト運輸が27年ぶりに値上げの方向で検討

ヤマト運輸の長尾裕社長は日本経済新聞の取材に、27年ぶりに宅配便料金の全面的な値上げに踏み切る考えを示した。

ことしの秋にも個人が送る小口の荷物も含めて27年ぶりに全面的に値上げする方向で検討に入りました。

人手不足などで、長時間労働が増えていることなどから、ヤマト運輸は、正午から午後2時の時間帯を指定した配達の取りやめなど、サービスの抜本的な見直しを検討している。

○「宅急便」取り扱い実績が増えサービスの維持が困難になっている

2017年3月期の「宅急便」取り扱い実績が、2月末までの累計で17億1,226万個を超え、前の年の同じ時期に比べ、8.0%増えたと発表した。

インターネット通販の拡大などを受けて、過去最高だった前期(17億3,126万個)を上回る見通し。

外部に配達を委託する費用が膨らみサービスの維持が困難になっているとして、宅配サービスの見直しを進めています。

○人材不足が深刻化している事情

ヤマト運輸労働組合が来2018年3月期の取扱個数について、今期の数量を超えない水準におさえる総量規制を要望した。

企業としては、荷受量を減らせば顧客の信頼や収益増の機会を失う恐れがある。それでも検討せざるを得ないほど厳しい状況にあるといえる。

インターネット通販による荷物が増大する一方、ドライバーを確保できないことから人材不足が深刻化している事情があるようだ。

○さらに、全社的な未払い残業代問題も

宅配最大手のヤマト運輸が運送業務に従事する約7万人を対象に勤務実態の詳細を調査していることが4日、分かった。

ネット通販の急激な拡大などを背景に、人手不足が深刻となっていて、ドライバーがサービス残業をするケースも増えているという。

全社的な未払い残業代問題は、今後の調査次第で、支払総額が数百億円に達する可能性も出てきた。

○マゾンジャパンなど大口顧客と交渉も

ヤマト運輸の労働組合が今春闘で「宅急便」の荷受量増大による労働環境の改善を会社側に求めたことで、宅配便急増問題が再びクローズアップされている。

全面値上げは消費増税時を除くと27年ぶりで、アマゾンジャパン(東京・目黒)など大口顧客と交渉に入った。

ヤマト運輸をはじめとする宅配業者は、これまで、アマゾンをはじめとするネット通販会社の配達を比較的安価な料金で引き受けてきた。

○全面的な値上げは27年ぶりになる

ネット通販の成長による宅配便荷物の増加、解決策が見えない不在再配達、物流会社の運転手ら社員の働き方問題-など、かねて顕在化していた多くの問題が複雑に絡まり合う。

個人が送る小口の荷物を含めた全面的な値上げは、消費税率の引き上げを除くと27年ぶりになるということです。