★『伊藤くんA to E』 柚木麻子
美形でボンボンで博識だが、自意識過剰で幼稚で無神経。人生の決定的な局面から逃げ続ける喰えない男、伊藤誠二郎。彼の周りには恋の話題が尽きない。こんな男のどこがいいのか。
柚木麻子著 伊藤くん A to E 読了。ついつい惹かれるんだけど少し深く付き合うとすごくいらいらして、でも惹かれる、いや、こいつ絶対天敵だ!そう思わせる男子って稀にいる。それが伊藤くん。そんな伊藤くんを柚木さんが多角度から活字でメッタ斬り!柚木さんありがとう!!すっきり!
柚木麻子 著『伊藤くんA to E』(幻冬舎)読了。最上級にイタい男、伊藤くんの言動と、彼に振り回される美人女5人にやきもきする一方で、最後はもしや伊藤くんって最強かも、なんて…。男女のエゴが丸裸にされる感じが、柚木さんならではの切り口で描かれてて、痛烈かつほろ苦い。それがいい。
岡田将生×木村文乃 初共演!モンスター級【痛男(いたお)】 VS 崖っぷちアラサ―【毒女(どくじょ)】の予測不能な震撼恋愛ミステリー。男女の毒を赤裸々に描く廣木隆一監督の真骨頂!「ランチのアッコちゃん」の柚木麻子、会心の恋愛小説を実写映画化! 2018年1月12日(金)ROADSHOW。映画に先駆けドラマ化!順次放送中!
★『悪と仮面のルール』 中村文則
父から「悪の欠片」として育てられることになった僕は、「邪」の家系を絶つため父の殺害を決意する。それは、すべて屋敷に引き取られた養女、香織のためだった。
『悪と仮面のルール』中村文則著、読了。
この世界に負として働く存在である『邪』。その家系に『邪』として育てられる為に生まれた男。顔を変え、他人の身分を手に入れ、『邪』の家系を捨ててもなお、つきまとう『邪』。
形成外科の医師や探偵が主人公に好意的になるのも分かるなぁ。ラストもいい。
『悪と仮面のルール』(中村文則)読了。先日読んだ作品もそうだったが、設定も行われている事象もとてつもなくブッ飛んでいるのに、熱くもなくドロドロもしていないのは、主人公は自分を中心に据えていないから。離人症状の様に、常に自分を眺めている。それが嫌な音を立てるのが堪らない。好きだ。
★『ホペイロの憂鬱』 井上尚登
僕がホペイロを務めるプロサッカークラブ・ビッグカイト相模原では、奇妙な事件がわんさか起きる。J2昇格を目指して新シーズンが始まったのに問題山積だ。
「ホペイロの憂鬱」読了。
読んでみて、「面白い」だけじゃなく何だか「懐かしい」という思いが。
その「懐かしい」という思いの原因が何だかわかった気がする。
あれだ、「ぼくらの七日間戦争」の作者:宗田理の作品「ぼくらのシリーズ」みたいな匂いがするんだな。
★『祈りの幕が下りる時』 東野圭吾
夢見た舞台を実現させた女性演出家。彼女を訪ねた幼なじみが、数日後、遺体となって発見された。数々の人生が絡み合う謎に、捜査は混迷を極めるが――
東野圭吾『祈りの幕が下りる時』読了。加賀恭一郎シリーズ第10作(完結?)。シリーズ最大、母の失踪の謎が解明。毎度、加賀は勿体つけるなぁ(それが良い)。東野先生の作品を読むと"思い込みは敵"ということを思い知る。物語がしっかりしているのも好き。映画化も決定している。こちらも楽しみ。
東野圭吾『祈りの幕が下りる時』読了。加賀シリーズ、特に『赤い指』以降を読んだ読者にとって実に感慨深い作品。加賀の人生において一つの決着がつく。ミステリィとしても面白い。謎のピースが次々と嵌っていくのは快感。構想が大変よく練られている。悲しいストーリィだが、そればかりではない。
「祈りの幕が下りる時」読了。 他の加賀恭一郎シリーズを読んでから読んで欲しい作品。 初めてでも楽しめますが、加賀恭一郎の家族の関係や家族への思いを知っていた方がより作品に入り込めると思います。
★『ミッドナイト・バス』 伊吹有喜