◆鮮烈なデビューで社会現象となった「吉本ばなな」
インターネット時代に、作家はどうなっていくのか? —— 吉本ばなな×はあちゅう対談 cakes.mu/posts/14487 pic.twitter.com/Q4M67i8fk8
吉本ばなな(左)とはあちゅう(右)
大学卒業直後に発表した「キッチン」がベストセラーとなり、鮮烈なデビューを飾った人気作家の吉本ばなな。
デビュー作『キッチン』は、圧倒的に読み易い文体とキャッチーな物語で当時の文学シーンを刷新。
八八年から九〇年にかけて刊行した単行本は相次いでベストセラーとなり「春樹現象」に続く「ばなな現象」としてメディアで取り沙汰された。
◆世界中で読まれている稀有な日本人作家
【洋書】吉本ばななさん著《キッチン》英語版『Kitchen』。おうちのぶーんとなる冷蔵庫。カツ丼。何かが終わったから明日、再出発が出来る訳ではない。質感しっとり翻訳。「キッチン」「ムーンライト・シャドウ」「満月-キッチン2」収載。 pic.twitter.com/yeIZBSwBjG
よしもとばななの作品はイタリアで次々と翻訳され、250万部という目覚ましい売行きを記録し、3つの文学賞も受賞している。
村上春樹さんとよしもとばななさんはベトナムなど一部の国では海賊版が出回る程の人気。
諸作品は「キッチン」をはじめ、海外三十数か国で翻訳、出版されている。世界で広く日常的に作品を読まれる初の日本人作家だといえる。
【吉本ばなな】
1964(昭和39)年、東京生れ。日本大学芸術学部文芸学科卒。1987年『キッチン』で海燕新人文学賞、1988年『ムーンライト・シャドウ』で泉鏡花文学賞、1989(平成元)年『TUGUMI』で山本周五郎賞をそれぞれ受賞。海外での評価も高く、イタリアのスカンノ賞、フェンディッシメ文学賞、カプリ賞など受賞。
『言語にとって美とは何か』『共同幻想論』『ハイ・イメージ論』で知られる思想家吉本隆明の次女として生まれる。姉は『プロジェクト魔王[アルドラ]』(1992~98)の漫画家ハルノ宵子。
◆そんな「吉本ばなな」の原作ドラマ・映画5選
▼『キッチン』(1989)
祖母を亡くし、天涯孤独の身となったみかげは、生前に祖母の知り合いだったという雄一の誘いで、彼のマンションに住むことになる。そこには、雄一の母・絵里子(実はゲイの父親)も同居しており、女ふたり(?)と青年との奇妙な共同生活が始まるが……。
吉本ばななの大ベストセラーを「家族ゲーム」の森田芳光監督で映画化した疑似家族ドラマ。肉親を失い孤独となった少女と風変わりな親子の奇妙な同居生活を描く。
函館は、映画の主要なロケ地となっており、とりわけ市内を走る市電が重要な役割を果たしている。市電は、みかげと雄一の住む「場所」をつなげている。それは二人の「つながり」や「距離」を示唆。
久しぶりに森田芳光さんの「キッチン」を観ている。
橋爪功さんの演じる絵理子さんが大好き。
所作もことばもとても素敵。 pic.twitter.com/7emyfCp8oe
▼『つぐみ』(1990)