このダムが湛えているオーロビル湖は、同州で2番目に大きい人造湖で、約43億㎥以上を貯水できる。

えん堤の高さは770フィート（230m）余りと、全米で最も高いダムとして有名。

今年に入っての大雨や豪雪により湖の水位が上昇したため、水を約1,400m3/sで放流していたところ、排水路に穴が発生。

それでも湖の水位の上昇が激しく、やむを得なく損傷した放水路から継続して放流を行っていたところ、この穴がさらに拡大。

事態は収まるかとみられていたが、１２日午後、今度は緊急用放水路でも浸食が起き、水が360m3/sで流れ始めたことが判明。

放水路がいつ決壊してもおかしくない状況となったうえ、土砂などが崩れ落ちてより危険な状態になる可能性が浮上した。

カリフォルニア州のブラウン知事は12日、非常事態を宣言。

万が一決壊した場合、周辺地域に大量の水が流れ込むおそれがあるとして、付近の住民およそ１９万人に避難命令を出した。

オーロビルダム本体が決壊すれば「約９メートルの水の壁に見舞われる」などと指摘。

下流にあるオーロビル全域が水没、１２０キロ下流にあるサクラメント市も鉄砲水に襲われる可能性があるという。

損傷した緊急用の放水路での放水を停止し、ヘリコプターを動員して決壊部分に岩などを投下。

地上でも資材を積んだダンプトラックやミキサー車を往復させるなど、補強をしつつ放水を行った。