中国のSF小説『三体』の日本語版が発売された!売れ行きが好調
中国人SF作家である劉慈欣氏の有名なSF小説「三体」の日本語版が7月4日、正式に発売された。
今回発売された「三体」はシリーズ3部作の第1部とのことで、残りの2部についてはまだ日本語版に関する情報は出ていないようだ。
4日の発売当日、「三体」は日本のアマゾンの文芸作品ジャンルで売れ筋ランキング1位。
7月10日、大森氏は「三体の第1刷の印刷部数は1万部で、現在、第2刷から第10刷の増刷分7万6000部も相次いで各地の書店に出荷され始めている」と語った。
『三体』はアジア作品として初めてヒューゴー賞を受賞
本書は中国のSF専門誌《科幻世界》に2006年に連載され、第19回中国銀河賞特別賞を受賞。2008年1月に重慶出版社から単行本が刊行された。
6年後の2014年、アメリカの大手SF出版社トー・ブックスから、「紙の動物園」で知られる中国系アメリカ人SF作家ケン・リュウによる英訳版『The Three-Body Problem』が出版される。
現在までに「三体」はすでに25の言語に翻訳され、世界で出版されている。
本書に始まる《三体》三部作は、中国版が合計2100万部、英訳版が100万部以上の売上を記録。
2015年のヒューゴー賞長篇部門を受賞した。
ヒューゴー賞は世界最大のSF賞と言われるが、もともと英語圏の賞。したがって『三体』の受賞はアジア初の快挙。
それどころか、英語以外で書かれた作品がヒューゴー賞長篇部門を受賞すること自体、これが史上初めてだった。
オバマ大統領も『三体』を絶賛していた
大統領在職中の2017年1月、ニューヨーク・タイムズに掲載されたミチコ・カクタニによるインタビュー記事「オバマがホワイトハウスの日々を生き延びた秘訣:書籍篇」の中で『三体』に触れた。
「とにかくスケールがものすごく大きくて、読むのが楽しい。これに比べたら、議会との日々の軋轢なんかちっぽけなことで、くよくよする必要はないと思えてくるのも(本書を楽しんだ)理由のひとつだね」と語った。
『三体』はどんなストーリーなの?
物語には二人の主人公が登場する。
一人目の主人公は天体物理学者の葉文潔(イエ・ウェンジェ)で、物語は文化大革命が起きた1967年の中国から始まる。
二人目の主人公はナノマテリアル専門家の汪淼(ワン・ミャオ)で、物語は現代に飛ぶ。
『三体』は、ひとことで言えばファースト・コンタクトものだ。
ストーリーは文化大革命の混乱から幕を開け、時代をまたぎながら思わぬ方向へと発展していく。
まず一人目の主人公が、天体物理学者の葉文潔は物理学者だった父親を革命の狂気に取り憑かれた群衆によって惨殺されてしまう。
人類に絶望した彼女は、ある現象に遭遇したのをきっかけに、宇宙に向けて秘密裏にメッセージを発信する。
そしてこの孤独なエリート科学者が発したメッセージを宇宙の彼方で受信しているものたちがいた。それが惑星「三体」の異星人だったのである。
汪はナノマテリアルの専門家だ。ある時から彼のまわりで不可解な出来事が相次いで起きる。優秀な物理学者たちが次々と自殺していくのだ。
ここから二人目の主人公
その中のひとりは「すべての証拠が示す結論はひとつ。これまでも、これからも。物理学は存在しない」という謎の言葉を遺していた。
物理学者たちは何に絶望したのか。また何を根拠に「物理学の死」を宣言したのか。汪淼の調査がはじまる。
やがて異星文明が持つテクノロジーに汪淼の研究が深く関係していることが見えてくる……。
