◆ヤマト運輸が未払い残業代の調査していることが分かった
宅配最大手のヤマト運輸が運送業務に従事する約7万人を対象に勤務実態の詳細を調査していることが4日、分かった。勤務時間が会社側の認識よりも多ければ、時間分の賃金を未払い分として支払う方針だ。
ヤマト運輸では休憩を取れていないのに「取った」と申告したり、勤務が終わった後に配送を続けたりするなどのサービス残業が常態化していました。
未払い残業の常態化を大手企業が事実上認め、全社的に調査するのは異例。
◆ヤマト運輸の労働組合は春季労使交渉で、労働環境の改善を要求している
アフロ
A deliverer of Yamato Transport Co is seen at a business district in Tokyo, Japan, February 9, 2017. Picture taken February 9, 2017. REUTERS/Toru Hanai (Japan) by 写真:ロイター/アフロ
ヤマト運輸の労働組合が今年の春季労使交渉で、宅配便の引受総量の抑制を会社側に求めた。インターネット通販の拡大と運転手不足による現場の疲弊が原因だ。
午後8~9時については、時間指定の廃止を含めて検討するほか、ドライバーが昼の休憩時間を確保できるよう、昼間の時間帯の枠組みの変更を検討する。利用者の利便性を確保しつつ、ドライバーの労働環境を改善したい考えだ。
また、労働環境改善の一環として、退職したOB社員を再雇用することで集配拠点の管理職を増やす検討にも入った。
◆ネット通販の急激な拡大などを背景に、人手不足が深刻となっている現状がある
ヤマトホールディングスによると、ネット通販の急激な拡大などを背景に、人手不足が深刻となっていて、ドライバーがサービス残業をするケースも増えているという。
インターネット通販の普及によって、ヤマト運輸が15年度に取り扱った荷物は17億個を超え過去最高を記録。16年度は1月時点で16億個に迫っており、15年度を上回るペースで増え続けている。
◆ヤマト運輸は2016年8月、横浜北労働基準監督署から是正勧告を受けていた
ヤマト運輸は2016年8月、横浜市内の支店が、ドライバー2人に残業代の一部を支払わなかったなどとして、横浜北労働基準監督署から、是正勧告を受けている。
弁護士によると、神奈川平川町支店のドライバー2人は配送業務で使う端末の稼働時間を労働時間として所長に提出。しかし配送業務終了後も、顧客データをパソコンに入力したり、報告書を作成したりしていた。
労連によると勧告内容は、(1)休憩時間が法定通り取得できていないこと(労働基準法34条違反)、(2)時間外労働に対する賃金が支払われていないこと(同37条違反)。
弁護士がタイムカードに記録された時間などを基に計算して同社に約2年分を請求したところ、是正勧告後に請求額約190万円のうち約57万円分を未払いと認める回答が来た。別の運転手1人についても同様に未払いを認めたという。2人は既に退職した。
◆ヤマト運輸は端末などで勤務時間を管理しているが、電源が入っていない状態でのサービス残業が常態化していた
調査の対象になるのは宅配便事業を行うヤマト運輸のセールスドライバー(SD)約5万4000人と、営業所の事務職員約4000人、ヤマトHD傘下のグループ会社で働く社員約1万8000人。
ヤマトホールディングスによりますと、宅配便のドライバーの労働時間は、現在、年間2456時間までをめどに業務用の端末などを使って勤務時間を管理しています。
しかし、端末の電源を入れる前や端末返却後にも仕事を行うことがあり、サービス残業が常態化していた。
◆既に川崎市などで調査に着手…全社的な未払い残業代問題は支払総額が数百億円に達する可能性も
既に川崎市などで調査に着手していて、未払いが確認できた場合、支払う方針です。
最大で過去2年分について調べ、1人あたりの支給額が100万円を超えるケースもあるという。
