■ものの価格というのは一旦決められると変動しない「定価制」が用いられているケースが多い
例えば、ホテルなどは一定期間、それぞれの部屋が定位置に固定されているため1年365日、部屋の価値自体は変動しない。
「平日なのにいつもと同じ価格」「魅力が低い対戦カードなのに定価だった」「雨降る予報なのに晴れの日と同じ価格」などなど、チケット価格に不満を感じたことは誰もが一度くらいはあるのではないでしょうか。
スポーツの観戦チケットなども一定でした。
日本において、書籍、雑誌、新聞、音楽、タバコ製品の再販売価格維持が認められている商品では、代理の小売店で定価販売が行われている
■しかし、野菜などは日々価格が変動する
スーパーでは、日常的に商品の需要と供給のバランスに応じて動的に価格が変更されています
入荷量が多い季節 ( 7・8月 ) は、供給者は売れ残ると困るので低い価格で売る。 逆に入荷量が少ない季節 ( 1・2月 ) は、価格が高い。
キュウリの価格です。
経営安定化のため、豊作の時には作物を破棄し、市場への供給量をコントロールしている生産者もいると言われています。
■このように日々「需要と供給の関係」に従い価格が変動する仕組みを「ダイナミックプライシング」という
ダイナミックプライシングとは、消費者の需要の強弱を見ながら、アルゴリズムが販売価格を頻繁に調整する手法のことをいう
需要が集中する季節・時間帯は価格を割高にして需要を抑制し、需要が減少する季節・時間帯は割安にして需要を喚起する
ネットショップで例えると、取り扱っている商品に希少性があれば通常価格より数%値上げしても売れます。一方、商品が売れ残りそうな時は、通常価格より数%値下げして早めに売りさばく
■このダイナミックプライシングに「AI」を活用する機運が高まっている
商売のキモである「値づけ」を、AI=人工知能に任せる動きをご存じでしょうか?稼げるときは高く、厳しい状況では安く…。
人的コストの削減だけにとどまらず、プライシング業務の速度向上、勘や経験に頼らずデータドリブンの値付けができる
ダイナミックプライシングとは、消費者の需要動向に応じて、AIが販売価格を調整する手法
■すでに「ホテル事業」や「Jリーグ」での運用が始まっている
国内でダイナミックプライシングがいち早く始まったのはホテル業界。東京・築地にあるビジネスホテルでは、去年9月から、AIの提案に沿って宿泊料をこまめに変更しています
ダイナミックプライシングはすでに2年以上も前から行っているのが民泊仲介サイト世界最大手のAirbnb(エアービーアンドビー)
宿泊料金は日々集まるビッグデータを人工知能の一種である機械学習で処理して、価格と需要の関係である「価格弾力性」を予測し、利益が最大になるように決められる
ダイナミックプライシングつまり価格変動制のチケットがきょう、Jリーグのチームで初めて導入されました。
8月1日のニュースです。
「ダイナミックプライシング」とは、需要、市況、天候、個人の嗜好などに関するビッグデータをクラウド上のプラットフォームで迅速に分析し需要の予測を基に価格の上げ下げを自動的に行なうことで、ファンの皆様のニーズに即応する仕組み
スポーツなどエンターテインメントの業界に革命をもたらす新しいシステムの導入は集客に繋がるのか。