３日午前９時ごろ、愛媛県今治市室屋町の市営団地で、「背中を切られた人がいる」と１１０番があった。

室内に入ってきた女に、無職の岡本久行さん（70）が背中を切られ重傷を負ったほか、母のユキヱさん（92）は胸を刺されて搬送先の病院で死亡した。

久行さんはいったん外に逃げて通行人らに助けを求め、１１０番通報を依頼。その前後に女は逃げた。

司法解剖の結果、ユキヱさんの死因は出血性ショックで、傷は肺まで達していた。

捜査本部によると、現場は５階建て団地の１階で、岡本さん親子は２人暮らしだった。

室内から凶器とみられる刃物１本が見つかった。

県警は、逃げた女について、久行さんが「見知らぬ女だった」「小柄だった」などと話したことから、

事件があった前後の目撃情報を集めるとともに、付近の防犯カメラの映像を分析。

この結果、現場から約６００メートル南側のマンションに住む女が浮上したという。

警察は４日、関係先を捜索し、女性の衣類や自転車などを押収するとともに、女性から任意で事情を聴くなど捜査を進めていました。

捜査本部によると、４日午後１時半ごろから同１０時半ごろまで今治署で事情を聴き、同１１時ごろ家族の元に帰した。逮捕状は請求していない。

愛媛県今治市の市営住宅で無職、岡本久行さん（７０）と同居の母、ユキヱさん（９２）が刃物で襲われ死傷した事件は５日、

鍵を握ると思われた参考人の女性が自殺する異例の展開を迎えた。

およそ９時間にわたって事情を聴いたあと、いったん家族のもとに帰しましたが、

５日も事情を聴くため午前９時ごろに捜査員が迎えに行き、家族と一緒に部屋に入ったところ死亡していたという

捜査本部は５日朝まで過ごした場所を明らかにしていないが、家族が同じ建物内にいたという。