■嫌いな人はほぼいないはず
■でもちょっと待った!
高級牛肉の代名詞「霜降り肉」を巡り、飲食業界はもとより、肉好きの人などの間でも激しい議論が沸き起こっている。
■その発端となったのが、すき焼きの名店の”ある行動”
今年1月から、すき焼きやしゃぶしゃぶの「霜降肉」の表記を「適サシ肉(適度に脂肪が入っているという意味)」に変更。
高級すき焼き店はA5ランクの霜降り肉が当たり前といわれている中、今後、同店では霜降り肉を扱うことをやめ「適サシ肉」だけにする予定。
■今更だけど、そもそも「霜降り肉」とはどんなもの?
・まずは霜降り肉ができるまで
まず品種改良を行い、サシが入りやすい血統の牛を選抜したうえで、牛に運動をさせずに濃厚な飼料を与え、脂肪を蓄えさせる。
そして、筋肉に脂肪が付くのを抑える働きがあるビタミンAを制限し、人為的にサシを入れる技術「ビタミンコントロール」を行う。
肥育期間をいくつかに分けたうちの中期と呼ばれる段階で、餌に含まれるビタミンAを制限することで、肉にサシが入る。
ビタミンAは必須栄養素で、制限しすぎると牛に悪影響を及ぼすこともある
つまり、牛が健康状態を保てる範囲ギリギリの「欠乏状態」にするということ
これは衝撃の事実…
・こうして誕生した霜降り肉をランク付け
牛肉の等級は、歩留(使用できる肉の割合)を示す「A~C」と、肉質等級を示す「5」~「1」の組み合わせで15段階に分類。
さらに、霜降り度合いを12ランクで示す脂肪交雑「B.M.S.(BMS12~8が5等級、BMS7~5が4等級、BMS4~3が3等級、BMS2と1はそれぞれ肉質等級2と1)」という指標もある
市場でレールに吊られた枝肉が列になって検査官の目の前を流れていき、何人かの検査官が「目視」でチェックし、ランク付け。
等級5の肉では、サシの割合は50%~75%にもなり、高付加価値商品として価格も高くなる傾向にある。
■しかし「霜降り=美味い」とは一概には言えない
これらの格付けは、「肉の分量」「霜降りの入り方」「見た目」などが基準で、「美味しさの基準」を満たしているわけではない。
いくら霜降りがきれいでも、脂の質が悪ければ美味しいお肉にはなり難く、粒子の粗いサシが入りすぎていれば胃がもたれる。
■意外と多い「霜降り肉苦手派」