■アメリカのティラーソン国務長官が中国を訪問
アメリカのティラーソン国務長官は、先月28~今月1日の日程で中国・北京を訪問し、習近平国家主席と会談。
今年11月にトランプ大統領の中国訪問に向けた調整が主な目的だが、朝鮮半島問題や貿易・投資問題についても意見交換した。
■習国家主席との会談後、驚きの発言が飛び出した
30日の習近平国家主席らとの会談後、米国は北朝鮮と「独自のチャンネル」を開いて直接接触していると発言。
「われわれは北朝鮮政府との複数の対話手段を保持している。暗闇のような状態にいるわけではなく、2~3のチャンネルを持っている」
「常に話し掛けることができるし、実際に、北朝鮮に対話したいかと問い掛けている」
「目標は対話による平和的な解決。そのためには、まず事態を沈静化させる必要がある」と話した。
ルートの数にまで言及し、対話の可能性を示唆したのは今回が初めて
米国務省のナウアート報道官も「体制崩壊や軍事境界線北側への侵攻に関心がないと断言し、交渉の意思を探っている」と明言。
米朝首脳による非難合戦が激化する中、意思疎通の手段が維持されていることを示すことで緊張を和らげる効果を狙ったとみられる。
■両国が設定している「直接対話のための条件」
アメリカが挙げている条件は「核・ミサイル(ICBM)開発の停止、核兵器の破棄」。
これらを行えば圧力を解除し、北朝鮮の体制維持を確約するというもの。
アメリカへの不信感が強い北朝鮮は「核兵器、ICBMを保持したままでの体制保証」を望んでいる。
インド、パキスタンが国際社会から核保有国と事実上容認された”前例”があるだけに、北朝鮮も同じ道を目指している。
■ティラーソン国務長官の発言にトランプ大統領は苦言
I told Rex Tillerson, our wonderful Secretary of State, that he is wasting his time trying to negotiate with Little Rocket Man…
「素晴らしい国務長官であるレックス・ティラーソン氏に、小さなロケットマンと交渉しようとして時間を無駄にしていると伝えた」
…Save your energy Rex, we'll do what has to be done!
「力を温存しておけ、レックス。われわれはやるべき事をする」
その後のツイートでは「歴代大統領は皆、北朝鮮指導部に寛大な態度を取ったことで問題への対応に失敗した」と指摘。
米政府高官は「大統領は交渉すべき時ではないと考えている。この外交ルートは、拘束中の米国人帰国を目指すためのものでもある」と説明した。
■皆さんの反応
トランプ大統領、ティラーソン国務長官が「ちびロケット野郎(金正恩)」と交渉しようとしているのは時間の無駄だ、我々はすべきことをする、とツイート。交渉をせずに「すべきこと」となると制裁をかけるか軍事行動に出るということなのだが…。いずれにしても大統領には交渉する気はないらしい。