▽昭和初期が舞台『あしながおじさん』
ジーン・ウェブスターの名作『あしながおじさん』を原作とした作品で、舞台設定を昭和初期の日本に変えて描かれています。
身寄りのないいつきに思いがけない援助の話が舞い込んだ。条件は月に一度手紙を書くこと…。
あしながおじさん(の千博)の想いや変遷がしっかり描かれていて、本当に愛おしいストーリー。
「あしながおじさん」を少し昔の日本に置きかえた「Daddy Long Legs」勝田文。短篇集なのでこの1冊の半分以下のページ数ですが、それでも充分いいんですこの表紙の着物もなんて可愛いんだろう p.twipple.jp/qthst
久々に勝田文せんせいの傑作短編集「Daddy Long Legs」を引っ張り出して読んだ。ほんとこれ名作だわ~。足長おじさんを大正ロマン風に仕上げた表題作「Daddy Long Legs」がもちろん一番ステキなのだけど、今読むと上海レイコの話もいいな。
昭和初期を舞台に、あしながおじさんの方が主人公として描かれる勝田文先生の「Daddy Long Legs」(原作:ウェブスター「あしながおじさん」)、何回読んでも最高だ…
権威的なイメージあって避けてた純文や近代文学、雁須磨子先生と勝田先生のおかげで好きになれたのだった…。
▽父親の視点から描いた『変身』
「ある朝目覚めると、自分の息子が「虫」になっていたら…!? しかも気持ち悪いヤツ(化け物)に…」緊迫感とおぞましさが溢れるストーリーが次々炸裂!原作は不条理文学として知られたカフカの代表作。
原作で描かれていない部分を桜壱バーゲン氏の想像力で描いた変身。うまくまとめてあり、細かい話も詰め込んであるので、知っている人であれば、ニヤっと出来る所も結構ある
【商品情報】桜壱バーゲン / 変身。「汚い人間」を描く事において超一級の桜壱バーゲンが変身を描くとどうなるのか。「父」という新たな視点から描かれる『変身』、嫌悪と俗悪の物語。subbacultcha.shop-pro.jp/?pid=96442886 pic.twitter.com/ahPLunhD6R
googleがカフカ「変身」。それで思い出したけど、桜壱バーゲン先生が漫画化した「変身」もめっちゃ面白いのです。父親視点からスラップスティックにするというアレンジで、初めて読んだ時は度肝を抜かれたw
桜壱バーゲン先生は、視点人物を父親にしてドタバタスラップスティックに仕立て上げた(そのくせプロットは完全に原作通り)というカフカ『変身』の超名作コミカライズが単行本になっているので外文クラスタはまじで一度読むベき。
▽現代風にアレンジされた3作品
目的が見つからずダラダラと過ごしていた夏野房夫は、散歩途中の墓地で、向かいの家に住む中年の男を見かける。思わず声をかけてしまい、それがきっかけで男の家を訪ねるようになった房夫は、その男「先生」が話したがらない”過去”に興味を抱くようになり…
作品背景を現代に置き換えたことにより、キャラクターの表情を描写したことにより、そして、キーポイントの文章はきちんと残すことにより、原作が伝えたいことが、まっすぐに読者のこころに突き刺さる。
夏目漱石×榎本ナリコ『こころ』読了。いやー・・現代風アレンジの漫画ってどんなものなんだろう?と怖いもの見たさで読んでみたけど、素晴らしかった@w@ 小説と漫画とでは、やっぱり表現の得意分野が違いますなぁ・・。
続き→読書感想文好適作品その1
『こころ』夏目漱石×榎本ナリコ
嫉妬心で壊れていく主人公の心理描写、そしてクライマックスシーンの漫画ならではの表現は、心に迫るものがあります。 pic.twitter.com/MwhZlzroWL
「恥の多い生涯を送ってきました」――ネット上に見つけた大庭葉蔵の独白が赤裸々に綴られたページ。掲示されていた3枚の写真は、葉蔵の転落の人生の軌跡を描いていた。
現代版として蘇った太宰治氏の物語が、古屋兎丸氏独特の得体の知れない恐怖と絶望感とに相まって、読み進めるほど心が病んでいきます。
古屋兎丸『人間失格』を読み終えた。終盤にかけて堕落していく様は、太宰の原案に負けず劣らず、とてもよかった。 pic.twitter.com/S2p3D51ih5