20年後にゾウが絶滅?「第6の絶滅期」が想定よりも深刻だった


■絶滅危険の動物がはるかに多い事が分かった

絶滅の危険が指摘されている希少動物に限らず、従来考えられていたよりはるかに多いことが、新たに発表

哺乳(ほにゅう)類や鳥類、両生類、爬虫(はちゅう)類合わせて2万7600種類のうち、実に3分の1近くの生息数、生息地が減少していることが分かった。

地球には過去5回の大量絶滅時代があったとされる。科学者らは第6の絶滅時代が迫っていると警告している

10年間は減少のペースが速く、このままだと20年後にはアフリカから野生のゾウが消えてしまう可能性があるという。

▼世界で減少している野生のゾウ

・ミャンマーのアジアゾウは現在2000頭しかいない

アジアゾウは過去40年で50%以上減り、ミャンマーに生息する野生のアジアゾウは2000頭余りと言われる。

象皮は中国で需要が拡大しており、薬材として用いられるほか、宝飾品にも加工されている。

・アフリカゾウの生息数がアフリカ中部全体で10万頭足らず

アフリカ中部の国ガボンでは、象牙目的の密猟者らによるゾウの殺傷が憂慮すべきペースで続いており、国内のゾウの生息数がこの10年間で80%減少した。

「ゾウの生息数がアフリカ中部全体で10万頭足らずという状況にあって、政府や自然保護当局が早急に行動しなければ、マルミミゾウは絶滅の危機に直面する

象牙に対する需要が密猟を後押しする主な原動力となっており、この需要を削減する必要がある

■中国は象牙取引市場を全面閉鎖を発表した

絶滅の恐れがあるアフリカゾウなどの象牙は、ワシントン条約で国際取引が原則的に禁止されている。

同様に象牙の大きな市場であったアメリカ合衆国も2016年6月に象牙取引を事実上の全面禁止とする措置を発表

中国は、2017年いっぱいで、同国内における象牙の加工・販売を禁止し、象牙取引市場を全面閉鎖する方針を固めた。

■日本が合法的に取り引きを認める世界一の象牙購入国

環境保護団体の「ワイルドエイド」は1日、「中国市場が閉鎖されることで、日本が合法的に取り引きを認める世界一の象牙購入国になる」と指摘

環境省は「流通が管理されている」ことを理由に、日本の国内市場は「閉鎖対象外」であるとしている。

だが、現実には、日本の市場は極めて悪質な「象牙ロンダリング」の温床になっていることが自然保護団体などにより指摘されている。

・日本ではオークションでの取引が多い

日本では象牙商品の流通の多くが「ヤフーオークション」で行われているという。実際にヤフオクで「象牙」と検索すると、約1万件がヒットする。

象牙の用途の多くは印鑑であり、それ以外でも美術工芸品などのいわゆる嗜好品の類いでしかありません。