■感染が世界に拡大している「新型コロナウイルス」
昨年12月に中国・武漢市で流行が始まり、これまでに59の国と地域で8万4117人が感染、2870人が死亡。
29日2時時点
中国での感染はピークを越えたものの、韓国やイタリア、イランなどで感染者が急増しているほか、医療体制が脆弱なサハラ以南のアフリカでも感染が確認された。
■日本の状況
クルーズ船を含めて計938人が感染、11人が死亡
国内感染や中国からの旅行者などが219人、クルーズ船で705人、チャーター機で帰国した14人の計938人が感染し、11人が死亡。
都道府県別では、北海道が66人、東京都が36人、愛知県が28人、神奈川県が22人、千葉県と和歌山県が13人など。
28日午後10時時点
政府も異例の要請
政府は「今後1、2週間が感染拡大防止に極めて重要な時期」とし、大規模イベントの自粛のほか、全国の小中高などに来月2日から春休みまでの臨時休校を要請。
北海道の鈴木直道知事は、3月19日まで「緊急事態宣言」を出すと発表し、この週末の外出を控えるよう要請している。
■そんななか、WHOが世界リスクを「非常に高い」に引き上げた
世界保健機関(WHO)は28日、新型コロナウイルスの世界的な危険性の評価を「高い」から「非常に高い」に引き上げた。
■詳細
これまでは「高い」だった
1月30日に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言したWHOは、同23日から危険性評価を公表している。
これまで、中国と比べると感染例が格段に少なく、感染経路も把握できているとし、4段階のうち3番目の「高い」としてきた。
中国は「非常に高い」、中国周辺地域は「高い」
テドロス事務局長「各国で大規模感染や市中感染が相次いでいる」
テドロス事務局長は「韓国、イラン、イタリアなどで大規模感染が確認され、日本でも市中感染とみられる例が相次いでいる」と指摘。
「まだ最悪の事態を避けられる可能性は残されている」とし、各国に一層の対策を強く求めた。
■ただ一方で、「パンデミック(世界的な大流行)」は宣言せず
WHO緊急プログラム責任者のマーク・ライアン氏は、「病気を封じ込めようとしている段階でのパンデミック(世界的な大流行)宣言は有益ではない」。
危険性評価の引き上げについては、「人々を怖がらせるためではなく、各国に理解を促すためのものだ」と説明している。
■パンデミックを宣言する目安